急報

 親戚が亡くなった、私の伯父に当たる人間だが……肝臓ガンだそうだ。発見から半年というのは、いくらなんでも早すぎる。
 その知らせを耳にした瞬間、愕然としてしまった。
 亡くなられたこと自体ももちろん悲しいが、もっと悲しいのは一族の人間がそれについてまったくの無関心だということだ、十数人いる伯父や叔母はおろか、その実の父である……私の祖父でさえもだ。
 “ああ”なったのは、祖父のせいではない、ましてや祖母でも“向こう側”にいた伯父の母のせいでもない。歴史の業というものだ。誰のせいでもない、祖父も祖母もあっち側の女性も、歴史の流れに翻弄されたに過ぎないのだ。
 それが、人が死んだ後でさえわだかまりが解けないのは、とてつもなく悲しい……。
 
 悲しい。
 悲しい。
 悲しい。
 悲しい。
 悲しい。
 血のつながりというのは、この程度のものに過ぎなかったのだろうか?
 
 せめて私だけでも、黙祷をささげよう…………。