世界で一番NGな恋

 この作品に特攻したのはまったくの偶然だ。
 私はここ数年、エロゲーを買うときに選ぶポイントとして三つある。ハーレムと妹と主人公だ。
 ランスのようなアクの強い主人公とか、目を隠してない主人公とか、声付きの主人公とか。そういう主人公ならばかなり高い確率で突貫してしまう。名前変更可目隠し主人公とか本気で嫌いですから。
 
 で、主人公のために入ったこのゲームは、美都子と姫緒エンドを終わらせたこの時点で、これ以上進むことを放棄した。満足しすぎてこの満足感をとどめておきたかったからだ。このゲームのメインヒロインは、間違いなく美都子であるだろうね。その切ない想いには素直にキュンキュンさせられた、それだけでももう値段分は楽しませてもらったといえる。
 しかし姫緒エンドはもっとよかった。
 正直な感想、私は姫緒と限りなく近い人間であると思う。彼女が最終的に行き着いた選択肢、そこから想いを通す強さを取り除けばほぼ私だといえる。
 まあそれを通す強さがないからこそ、こうして六年間浮いた話が一つもなく、親から同性愛疑惑をかけられてしまったのだが……、それは言うまい^^; こうして久しぶりに架空の人物に、親近感を覚えてしまった。
 
 姫緒エンド後のおまけシナリオは夢オチであって、夢オチではないと思う。あの三人にとって、その未来まで一直線だとすら感じてしまうような、自然な話だった。目覚めた直後の理の反応からすでにそれを遂げてしまった可能性も示唆されているが、私はあくまで五年間を三人の間に与えたい。五年間ずっと、美都子の胸を締め付けてあげたい。一気に想いがはじけた後に、祝福してやりたいなって、思ってしまった。
  
 しかしまあ……あの父親から愛娘を二人も掠め取るってことは、理はもっともっと力をつけないといけないよなw